来たる総長選考にあたって皆さまへ
4月から5月にかけて、京都大学で総長選考が実施されます。今、京都大学は重要な岐路を迎えています。端的にいえば、京大の原点というべき、自由の学風と自治に基づく大学に戻るのか、それとも不自由と強権を強いる大学になっていくのかの別れ道に立っています。
京都大学でどのような総長を選ぶのかは、一大学の問題にとどまりません。日本の大学において、学問において、どのような未来を描きたいのかという問題でもあります。強権的なガバナンスのもとで、自由も自治も置き去りにされたまま、教職員も学生もただ「忖度」と「自粛」を繰り返すだけでよいのでしょうか。私たちは大学の構成員のひとりとして、少しでも誇れる京都大学を未来に残していく責任があるはずです。
私たちは、このような方に総長になってほしいという理想像を以下に掲げました。言い換えると総長候補にこのような総長を目指してほしいという理念を記したものでもあります。中央省庁の一支店・下請けではなく、京大が自分らしさを取り戻し、それを世界に向けて発信していくために、次の総長に何が必要かを考えたものです。
まずは自分たちがいる足元を少しでも良い働く場所、生活しやすい場所に変えていくために、総長選考に関心を持っていただき、学内予備投票、意向調査に係る投票で清き一票を投じてください。そして、以下のような理想の総長像が京大で現実となるようにご協力ください。
2020年4月9日
自由の学風にふさわしい京大総長を求める会
○京大における理想の総長像
- 「自由の学風」を堅持する:考える自由、発言して行動する自由、そして学問の自由が常に保たれるように努力する。
- 多様な意見を尊重する:性、民族、宗教など多様な個性を持つ教職員・学生の立場を理解し、その意見を尊重する。
- 研究を広く深く耕し、未来に向けて発信する:様々な分野の研究に等しく敬意を払いながら、総合大学にふさわしい研究を未来に向けて発信する。
- 権利と雇用、安心した生活を保障する:弱い立場に立たされる教職員・学生が学内で安心して過ごせる生活・労働環境を実現する。
- 平和の実現に貢献する:軍事研究を断乎拒絶し、教育と研究を通して平和な社会を導くように尽力する。
- 地域社会とともに大学文化を守り育てる:京都という風土で形作られて来た大学文化を、地域社会と共同して守り発展させる。