質問4:学生処分
京都⼤学現執⾏部は、2019年9⽉10⽇付で、3名の学⽣を停学(無期)処分としまし た。その内の2名はオープンキャンパス初⽇(2018年8⽉9⽇)に本部構内のクスノキ東 側に設置された⽴看板を撤去する職員の⾏為を妨害したことに加えて、厚⽣課窓⼝及び廊 下で職員の⾏為を妨害したという理由、もう1名は後者の理由に限られます。 この処分は、重すぎる処罰だという意⾒が教員の中に多数あります。実際、教授会での ⻑時間におよぶ審議を経て部局から提出された学⽣の処分案を、学⽣懲戒委員会が軽すぎ るということで⼆度も突き返しました。 このような学⽣処分のあり⽅や、執⾏部と学部の⾃治のあり⽅について、どのようにお 考えですか?
総長候補者の回答(50音順)
〇大嶋正裕氏の回答
学⽣懲戒委員会の委員の一人として、私にも判断の責任があると思います。学生らの主義主張および目的と、行った暴力的な行為自体は別なものであると考えます。度重なる同様の行為に対する反省を促し、行為自体の在り方を考えてもらうため、放学ではなく、停学としたものでした。この学生処分の件だけをとって、学生処分の在り方や執行部の自治の在り方を議論するのは短絡的かと考えます。
〇北野正雄氏
(回答なし)
〇寶馨氏の回答
対話を重んじ、話し合いによって問題の解決を図るという基本方針に立てば、暴力的行為はその対極にあるものとして厳しく諫められなければなりません。しかしながら、厳罰が同様の事案の再発を抑止するという過度に懲罰主義的な対応は、学問の府としての大学においてふさわしいものとは言えないと考えます。また、一般論として、学生の教育に直接の当事者として関わっている部局で審議された懲戒処分案は、学部自治の観点からも尊重されるべきではないかと考えます。
ご指摘の事案では、部局(研究所等は除く)の長全員が参加する学生懲戒委員会(議長は総長)が導いた結論と、当該学生の所属する部局の結論が食い違った結果、2度のやりとりを経て最終的に処分案が決定されたものです。学生懲戒委員会は、それに先立つ補導会議(議長は厚生補導担当の副学長、総長はオブザーバーとして出席)において時間をかけて詳しく審議された内容と、過去の処分事例をも勘案して結論します。結果的に、学生懲戒委員会の処分の量定案と、部局の処分の量定案との間で大きな乖離があったわけではありませんでした。
部局、補導会議、学生懲戒委員会それぞれにおいて慎重に審議を重ねるこのような学生処分の進め方や、最終的な決定に至るまでに要する時間の長さなどについて、改善の余地があるとすれば、今後検討を重ねていく必要があると考えます。
〇時任宣博氏の回答
この質問にある学生処分の件については、処分理由に挙げられている妨害行為だけでなく、そこに至る経緯と当事者間の意見の隔たりが処分案に反映されていると推察致します。その結果、学部(部局)と大学執行部との間で処分案の内容に差が生まれたものと思います。学部の自治と大学全体のガバナンス、マネジメントは、時に互いに相容れない場合もあるかと思いますが、互いの立場を理解し双方が許容可能な解を求める不断の努力が必要だと思います。
〇湊長博氏
(回答)
〇村中孝史氏
(回答)